大東会館 過去の活動の記録

大東会館のホームページ上において行つてゐた案内・告知を掲載

武士道研究会第二十二回例会・素行祭御案内

神ながらの道―中朝事実<山鹿素行著>の底流を流れる神ながらの道とその心 発表者・島本昌彦先生
山鹿素行は四十四歳の時「聖教要録」を著し当時幕府の学問である朱子学と対立、赤穂に十年流罪となるがこの間これを練り上げ「中朝事実」を完成、「日本書紀」の神話・伝承に対しその意味を探り、その中に日本の理想を見出さうと著し、後の吉田松陰乃木希典等に多大な影響を与へる。近年 中朝事実刊行会(高澤信一郎会長)が次世代の少年少女へ「うるわしの日出づる國-中朝事実物語」を刊行。本書を参照しつつ、その内容と根底に流れる日本古来の「神ながらの道」を紐解き、さらに「神社の御鏡」を中心に「鏡の前にあるもの」「後ろにあるもの」を例に「中朝事実」「日本の国体」等、皆様と研究を深めたい。


矢田一嘯と佐野前励―蒙古襲来図の制作と日蓮の巨大銅像建設(上) 発表者・大山晋吾
福岡市博多区東公園の傍らには、巨大な日蓮聖人の銅像が聳え立つ。また、その台座には、見事な日蓮聖人と元寇を描いたレリーフが掲げられてゐる。この原画を描いたのは、明治中期にパノラマ画家として活躍した矢田一嘯、その人である。
彼は、明治二十三年本邦初の上野パノラマ館に掲げた「奥州白川大戦争図」(戊辰戦争)をはじめ、明治二十七年熊本に建てられた九州パノラマ館に掲げた「西南戦争・段山激戦図」、また蘘國神社や西の身延と呼ばれる福岡県の本仏寺に所蔵されてゐる「元寇大油画」や「蒙古襲来図」を描いてゐる。
矢田は熊本で湯地丈雄の元寇・護國講演を聴き、感動して彼のために無償で元寇大油画十四面を描いた。そして護国の意気に燃え、愛する妻を親戚に託し、決然と湯地に従って、その講演事業に挺身した。
又、弘安四年の元軍を撃退した波風を中々描く事が出来ず、一月半も海浜を彷徨ひ、台風の夜に一晩中玄界灘の荒れ狂ふ波を眺めてゐたといふ。ここには、無欲にして気骨一徹、情熱家にして義侠心に富む、幕末から明治にかけての典型的日本人の姿を垣間見る事ができよう。(続)


■日時 正月28日(木)午後6時半より
■会 場 大東会館 港区北青山3−3−27
■幹事 藤本隆之/福永武/細見祐介/大山晋吾
■会費 千円(玉串料、但し学生は無料)

次回予定
■2月12日(金)午後7時より
神武天皇の御実在とその紀元について」・大山晋吾
「矢田一嘯と佐野前励―蒙古襲来図制作と日蓮の巨大銅像建設」(下)