大東会館 過去の活動の記録

大東会館のホームページ上において行つてゐた案内・告知を掲載

武徳(武士道)研究会

第四回例会ご案内
楠公祭斎行
 五月は、大楠公楠木正成公)が兵庫の湊川にて討死された月であります。『太平記』には、大楠公と刺し違へられた弟君正季公の最後の言葉が「七生マデ只同ジ人間ニ生レテ、朝的ヲ滅サバヤトゾ存ジ候ヘ」と記されてゐます。これ、世に言ふ「七生報国」の典拠でありますが、楠公忠死の精神は、室町時代・足利の世に於いて長く歴史の片隅に追ひやられてゐました。それを史上、再発見されたのが『大日本史』を編纂された水戸義公即ち、あの黄門さまでありました。「嗚呼、忠臣楠子之墓」の石碑を湊川に建て、天下第一の忠臣と称へられたのであります。その後、幕末に於いて愈々楠公忠死の精神は顕彰され、真木和泉守先生は病を押して血を吐きながらも毎年楠公祭を斎行し、同時に斃れた同志たちを併祀されてゐます。これが、私祭に於いて明治維新の志士を祀った嚆矢であり、その後、福羽美静等もこれに続き殉難志士のみたまを祀り、その祠は「元宮」として今に靖國神社境内に鎮座してをります。その意味で、楠公祭は、湊川神社靖國神社の祭祀の起源とも言ふべき意義ある祭典であり、ここに志を同じくする我々集ひて、謹みて大楠公の精神を顧み、学ばせて戴きたく存じます。


■佐久良東雄先生「遺書」について 楠公祭に引き続き先哲の遺文を拝読致します。佐久良東雄先生の記す武士の鑑、楠公像と、その武士道精神の根幹に迫りたく存じます。即ち、武士とは何か、本来、何をお守りすべき存在であるか。佐久良先生の遺書に曰く「御大事ト申す時ニハ一命ヲステ、報イ奉ルベシ、然ラザレバ吾ガ子孫ニアラズ、我、父然ル忠心候ハヾ幽冥ヨリ助ケ大功ヲ成サシムベシ、若シ然ラズシテ逆臣ニ与ミセバ我タチマチニ取リ殺サン、此ノ処ヨク々々子々孫々ニ申シ伝ヘヨ」と。まさに激烈な尊王精神でありますが、かゝる精神あってはじめて明治維新を成就し得たのでありませう。当日は佐久良先生の墨跡を拝し、共に心を励まして参りたく存じます。


■日 時 5月12日(月)19時より
■会 場 大東会館 港区北青山3−3−27
玉串料 千円